交通事故から発展する3つの裁判
もくじ
池袋の悲しい交通事故…
今日(R2.10.10)の
WEBニュースを見渡すと
やはり、
池袋であったあの交通事故の
裁判の話題が多い…。
私も妻と10歳に満たない子を
持つ親として、
このニュースは正直なところ
目にも耳にもしたくないですし
あまり話題にもしたくないです。
あえて意見するなら…
やっぱり被害者側に
肩入れしてしまうかな…😢
ただ、
行政書士という法律家としては
あとは裁判所の
法に則った判断を待つしか
できることはありません。
雑な言い方をすると
法治国家であり成文法と
罪刑法定主義の日本では
法律とはそのようなものです。
今日のスマイル☻ブログでは
なるべく小学生でもわかるように
「交通事故と3つの裁判」
というテーマで述べたいと思います。
刑事裁判
ニュースになるような交通事故、
例えば…
Aさんが車を運転中に
誤ってBさんの車と衝突してしまい
その事故でBさんが
亡くなってしまったとします。
警察が事故原因を調べたところ
Aさんがブレーキとアクセルを
踏み違えたことが疑われるので
警察は法律に則りAさんを逮捕します。
さらに、検察官(検事とも呼ばれます)が
「Aさんは刑務所で反省すべき」
と判断し、
裁判所に裁判をするよう訴えます。
それを起訴といいます。
そして始まる裁判のことを
“刑事裁判”
と言います。
刑事裁判では、検事が
Aさんがブレーキと間違って
アクセルを踏んだから
Bさんがなくなった。
Aさんは有罪だ!
刑務所に○年入れるべきだ!
等と、証拠をもとに主張します
対して、Aさんは
法律の専門家である弁護士を
代理人として
いや!あれは車の異常だ
Aさんは悪くない!
なのでAさんは無罪だ!
等と、同じく証拠を出して主張し
最後は裁判所が
有罪か無罪か?
もし有罪なら、
刑務所に何年入れるか?
などを判断します。
検事vs被告人(の弁護士)
という図式が刑事裁判です。
民事裁判
刑事裁判により
もしAさんが有罪と
判断された場合でも
AさんがBさんのご家族に対して
「○○円弁償(賠償)する…」
と決まった訳ではありません。
Aさんの刑事裁判の有罪無罪と
Bさんに対する
金銭(お金)などの弁償(賠償)は
法律上は全く別の話になります。
Aさんの運転によって
Bさんが損害を受けたのであれば
BさんはAさんに対して
民法という法律に定められた
の損害賠償の請求を
することができます。
しかし、刑事裁判と同じように
Aさんは車の異常が原因だと
自分の責任を認めず
当然、損害賠償にも応じません。
そんな場合に、Bさんが
(実際にはBさんの遺族が依頼した弁護士が)
Aさんを裁判所に訴える
ことで始まるのが
民事裁判
です。
民事裁判では
Bさん側の弁護士が
Aさんの運転が原因で
Bさんが死んだんだから
○○億円の損害賠償をしろ!
等と証拠をもとに主張し
Bさん側の弁護士は
いや車の異常が原因だ!
Aさんは悪くない!
と証拠を出して弁論します。
そして、最終的に
裁判所に判断を求める訳です。
民事裁判は刑事裁判と違い
検察(検事)の出番はありません。
人vs人
という図式が民事裁判になります。
ちなみに、
もし既に刑事裁判で
車の異常が原因で
Aさんは悪くないから
無罪!
という判断がなされていたとしても
刑事裁判と民事裁判とは
全く別の話ですので
民事裁判では全く逆に
車の異常はなく
Aさんの運転が悪い
Bさんの損害を賠償しろ!
と判断されてもいいのです。
つまり、
刑事裁判では無罪
民事裁判では有罪
というケースもあり得る訳です。
行政裁判
最後に、
このような交通事故の場合
もう一つ違う種類の
裁判に発展する可能性があります。
Aさんは今回の交通事故で
道路交通法という法律に則り
都道府県の公安委員会から
運転免許証の取消処分
を受けたとします。
しかし、Aさんは
あくまでも車の異常が原因だから
Aさんは悪くない!
免許取消処分はおかしい!
と主張し、
免許取消処分をした
公安員会を相手取って
裁判を起こしたとします。
公安委員会は、
都道府県の行政機関ですので
行政機関vs人
という図式の裁判となります。
このような裁判を
“行政裁判”
といいます。
以上、日本の裁判には
刑事裁判(検察vs人)
民事裁判(人vs人)
行政裁判(行政機関vs人)
の3種類があり、
このように交通事故一つとっても
3つの裁判に発展する可能性
があるということです。
ただ、
このような知識を身に付けるより
もっと大切なのは
交通安全です。
行政書士法人スマイル
行政書士 出見世(でみせ)雅之の
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