ヤマダ電機が大塚家具を子会社にした話をわかりやすく解説
もくじ
前回のブログでは、
こちら⇊のニュース
『大塚家具が
ヤマダ電機の傘下(さんか)に』
を、会社法に強い行政書士として
小学5年生でもわかるように
法律的な視点からご案内しました。
今回はその続きです。
前回ブログのおさらい
前回のブログでは
大塚家具という株式会社が
お金がなくて経営がきびしいから
第三者割当という増資をして
ヤマダ電機という会社から
44億円のお金を出資してもらった
というところまで説明しました。
今日のブログでは
これら以外のキーワードとなる
◆子会社
◆傘下
◆身売り
◆社長続投
について解説していきます。
51%の株式保有
このニュースで重要なのは
大塚家具が
第三者割当で増資したことにより
ヤマダ電機が
大塚家具の発行している
株式の51%を手に入れた
というところにあります。
このように
ある会社(O株式会社)の株式の
51%以上の株式を
別の会社(Y社)が持っていることで
O会社はY社の子会社
または
Y会社はO会社の親会社
という呼び方をします。
また、O社が子会社になる事を
「Y親会社の“傘下(さんか)”に入る」
とか
「Y親会社に“身売り”した」
つまり、O株式会社がY社に
自分のことを“売った”と
例えて表現したりします。
では、なぜ51%が
それほど大切なのでしょうか?
株主総会ので決めること
株式会社の株主は
その株式会社の持ち主と言えます。
その会社の持ち主である株主が
みんなで集まって、
株式会社の
とても大事なことを決める場や
人の集まりのことを
“株主総会”といいます。
その株主総会で、
なにか大事な物事を決めるときは
法律で⇊の表のように決められています。
この表を見て頂ければわかるとおり
つまり、
株式会社の株式を
51%以上(過半数)持っていれば
その51%の株主は
その株式会社を経営する(仕事をする)
取締役…つまり、社長やその他の偉い人を
自由に選んだり、やめさせたり
することができるのです。
ということは、
51%の株主は、みずから
子会社を経営する社長となったり
自分の命令をちゃんと聞いてくれる人を
社長にして
自分の思う通りの経営を
することができることになります。
つまり、今回、
大塚家具を子会社にしたヤマダ電機は
大塚家具の、商品やお店を使って
自由に商売できるくらい
大塚家具を“支配”し
自由にコントロールできる
ようになったと言えます。
社長続投
ヤマダ電機は
大塚家具を子会社にして、
大塚家具の社長を
自由に決められる
ことになりましたが
今回のニュースによると
今の大塚家具の社長は
そのまま大塚家具の社長を
やめさせられることなく
続けることができるようです。
つまり、
“社長続投(ぞくとう)”
ということらしいです。
※続投とは
野球のピッチャーが交代しないで、
続けて投げることをいいます。
また、
ある株式会社の商売の
“目的”を変更してまで
その株式会社をガラリと
大きく変えるには
株式会社のルールブックである
“定款を変更”したり
会社でやってる商売を
他の会社に売り渡す
必要がありますが
これらも株主総会で
しっかり決めなければならないという
ルールが法律で定められています
そのためには
↑↑の表のように、持っている株式が
51%(過半数)では足らず
3分の2以上の株式が必要になるので
ヤマダ電機はそこまでできません。
ですから、今すぐに
大塚家具が机・椅子・ベッドなどの家具を
売っているお店が
ヤマダ電機と名前を変えて
テレビやパソコンなどの
家電製品販売の専門店に変わることは
ないでしょう。
まとめ
どうでしょう?
少しはわかって頂けましたかね?☺
このような株式会社に関するニュースは
“会社法”という法律を知ると
さらによくわかります。
もし、あなたの会社で
何かわからないことがあれば
会社法を勉強してみるか
わたしたち会社法の専門家である
弁護士・司法書士・行政書士に
相談してみるのがよいでしょう。
では、また次回に。