合同会社の競業取引と利益相反取引
もくじ
さて、これまで
3回にわたって
株式会社の取締役の
競業取引
と
利益相反取引
についてご案内いたしました。
それでは、今後国内で
その数が増えていくであろう
合同会社
の場合の
競業取引と利益相反取引
はどうなるのか?
今回のブログでご案内いたします。
合同会社の社員
合同会社の
株式会社とのの大きな違いは
出資者と経営者が
分離していないことです。
つまり、株式会社では
出資者である株主と
経営者である取締役が
それぞれ別になっていましたが
(同一でも構いませんが形式上そうなります)
合同会社の場合は
出資者も経営者も必ず同一となります。
そのような合同会社の
出資者であり経営者のことを
『社員』
とよびます。
合同会社社員の義務
合同会社の社員も、
株式会社の取締役とほぼ同じ
義務や責任があります。
合同会社社員は経営者になるので
一般的な義務である
善管注意義務・忠実義務
(かんたんに言えば真面目にすること)
は、取締役と同じように
背負わされます。
この義務は、経営者である以上
当然と言えば当然でしょう。
合同会社社員の競業取引
株式会社の取締役が
会社の仕事とは別に
自分でその会社の商売と
同じような(似たような)商売をする
競業取引をする場合は
株主総会または取締役会の承認を
もらわなければできませんでした。
対して、合同会社社員が
競業取引をする場合は、
自分以外の社員の
全員の承認
を貰わなければなりません。
さらに、合同会社社員の競業取引で
株式会社の取締役と大きく違うのは
合同会社社員は、
他の社員の全員の承認がないと
自分の会社と同じ種類の事業を目的とする
(定款の項目である“目的”が同じような)
株式会社や合同会社の
(ほかの持ち分会社も含む)の
取締役や社員にはなることが
できません!
このルールは、
株式会社の取締役にはない
ルールですので、
競業取引については
合同会社の社員の方が
より厳しい責任を
背負わされてるといえます。
利益相反取引の場合
合同会社とその社員が
物の売り買いをするなどの
利益相反取引の場合は
自分以外の社員の
過半数の承認
を貰わなければなりません。
競業取引の場合は
全員の承認
でしたから…
なんか‟ややこしい”ですね…
まとめ
合同会社の社員の競業取引
⇒自分以外の社員“全員”の承認が必要
※この承認がないと、
他の会社の経営者(取締役・社員)に
なることができない。
合同会社の社員の利益相反取引
⇒自分以外の社員の“過半数”の承認が必要。
どちらも
複数人で合同会社を設立した場合の
数少ないデメリットと言えますね。
今回はこの辺で。
また次回に。