善意の第三者と表見代表取締役とは?

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善意の第三者と表見代表取締役とは?


 

今回のブログは

株式会社についてのルールを定めている法律

「会社法」から、このようなケースについて

ご案内したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある株式会社の社長さんAさん

会社からは「社長」という名前で

仕事をするよう命令されているようですが

 

 

会社では“代表取締役ではなく”

 “普通の取締役”になっています。

 

 

 代表取締役には“社長のAさん”ではなく

 “会長”のBさんがなっています。

 

 

 

 

ここで頭に入れておきたいのは…

 

会長・社長・副社長・専務・常務

 

などの肩書は、

法律では一切ルール化されておらず

会社が自由に定めてよいものです。

 

 

 

また、

会社で業務執行権(取引先と契約等をする権利)

持つのは、原則として代表取締役です。

 

通の取締役は、原則として業務執行権は

持っていません。

 

(※言い方を変えれば、普通の取締役

 取締役会や取締役が集まって決定しなければ

 ならない時の。賛成反対の手を挙げる、

 多数決メンバーに過ぎません)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな取締役社長のAさん

会社で使用する製品を

ある取引先から300万円で買いました。

 (法律上、売買契約を結んだことになります)

 

もちろん、社長のAさん

代表取締役会長のBさんに、

そのことを伝えていません。

 

 

 

 

このケースの場合ですが

取締役社長のAさんには

会社の名前で取引する権利(業務執行権)

はないはずです…

 

 

 

 

 

 

 

 さて、この300万円の

  製品の売買契約は

 一体どうなるのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのようなケースの答えも、

ちゃんと法律には定められています。

 

 

 

 

会社が

代表取締役以外“普通の取締役”

 

社長・副社長・・・

 

などの、その会社を代表者であるかのような

役職名や肩書を与えると

 

 

の役職名や肩書を持つ

“普通の取締役”

 

 

 

法律で言うところの

 

表見代表取締役

 

と呼ばれるものになります。

 

 

 

 

 

その表見代表取締役がした行為は

 

つまり…今回Aさんがした

300万円の売買契約は

 

 

契約をした取引先が

 

「Aさんが“代表取締役ではない”

 ということを“知らなかった”

 

のであれば

 

 

Aさん代表取締役として

契約したものとして成立します。

 

 

 

(この“知らなかった”ことを

法律では『善意』といいます)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ですから、

もし会社の本当の代表取締役会長のBさん

 

「この契約は代表者ではないAさん

 勝手にしたものだから

 製品も返すし、100万円は払わない!」

 

と言って、断ろうとしても…

それはできない…!!

 

ということになってしまいます。

 

 

 

 

 

これは、

 

“善意の第三者”は守ってあげよう!』

 

という日本の法令の考え方からきています。

(法理と呼ばれる考え方です)

 

 

 

 

したがって、もし取引先が、

Aさんが普通の取締役であることを

知っていたり(悪意)

 

 

 

知らなかったことについて

重大な過失(考えられないような重大なミス)

あった場合であれば

 

 

会社は、その契約をなかったことにできます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、取締役でもない会社の普通の従業員に

同じように社長などの肩書をつけた場合でも

 

善意の第三者は守られる

 

とした裁判の判決も、過去にはあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社が大きくなるにつれ

取締役が増えることは

ごく普通のことですが

 

そのときには

 

あまり紛らわしい役職や肩書の付け方

トラブルになる可能性もあるので

 

 

役職名や肩書は

慎重に決めたいものですね!

 

 

 

 

 

では、また次回に。

 

 

 

 

 

 

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