高校野球における「握手する・しない」の件を、法律家として考える

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高校野球における「握手する・しない」の件を、法律家として考える


石川県で会社設立専門の行政書士をしています、

行政書士法人スマイルの出見世です!

 

 

アクセスありがとうございます!

皆さまとのご縁に感謝いたします!

 

 

 

 

 

この時期は、

選抜高等学校野球大会が盛り上がっていますね!

いわゆる“春の甲子園” “センバツ”

呼ばれるものです。

 

(このブログは2019年3月26日に書いています)

 

 

 

 

 

 

この春の甲子園大会には、石川県代表校として

私の母校である星稜高校が出場しております。

 

しかも、本大会の優勝候補とのこと!

 

先日行われた、名門の履正社高校(大阪府代表)との

1回戦はTVに噛り付いて観戦していました!

(ちなみに私は高校時代レスリング部です)

 

 

 

 

 

 

その春の甲子園大会ですが、

試合とは別に、話題となっている

ある出来事がありました。

 

 

 

それは、K県代表のY高校と、

O県代表のM高校との試合でのこと

 

両者の試合が終了し、

ホームベース付近で両チームの選手が整列し、

礼(お辞儀)を交わした後のことです。

 

 

 

試合に勝ったM高校の選手たちは、

相手チームのY高校の選手たちに対して

握手を求めたのですが

 

巻けたY高校の選手たちは

その握手に応じることなく

早々に自軍ベンチ方面へ

引き返してしまったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

高校野球における試合終了後の

整列→礼→握手→効果斉唱は

もうお馴染みのシーンと言って良いでしょう。

 

 

 

この出来事が、

今の時代らしくネットで騒ぎ立てられています。

(今の言葉で言う“炎上”ですね)

 

 

「握手をしないなんて不道徳だ!」

「スポーツマンシップに反する!」

「負けて不貞腐れている!」

 

…などという

握手をしなかったY高校へのバッシングに対し

 

 

 

 

「そもそも、握手はルールにない。」

「別の地域では、握手しないよう指導している」

「選手は悪気があってした訳ではない。」

 

…といった反論の応酬です。

 

 

 

 

 

 

では、この出来事を

法令・法律の観点から考察するとどうでしょうか?

 

曲がりになりにも

法律に携わる仕事に就いていると

ついこのような(言わば「くだらない」…)事を

考えてしまうのです。

 

 

なので、今回のブログでは

私がこの出来事について考えたことを

ご案内します。

 

 

 

お暇な方は(←失礼!)お付き合いください!

 

 

 

まず、

確かに高校野球も含めて、野球のルールブックには

 

「試合後にはお互い握手しなければならない」

 

というようなルールは定められていません。

 

 

 

 

 

 

 

従って、Y高校の選手は、

決してルールに従わなかった訳ではないので、

罰せられる必要などは皆目ないと考えられます。

 

 

 

日本の法律学でも

『罪刑法定主義』といって、

どのような行為が犯罪であり、

その犯罪を犯した場合には

どのような刑罰が課せられるかは

予め法律によって、きちんと定められていなければ

ならない。

 

…とされています。

 

例えば

 

(刑法235条 窃盗)

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、

10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

 

と定められており、

 

 

この条文を逆に解釈すると

 

ドロボウは犯罪だが、

仮にどんなに卑劣な方法で

どんな高価なものを盗んでも

 

死刑にはならないし、

刑務所や拘置所に10年を超えては入れられないし

50万円超の罰金は取られない

 

ということになります。

 

 

 

 

 

これが罪刑法定主義です。

 

 

 

 

 

しかし!

 

 

例えば、イギリスでは「判例主義」といって、

予めルールを文章によって定めることはせず、

 

その行為が悪い事かどうか、

悪い事ならどの程度のペナルティが妥当か

などは事案によって判断しよう。

 

…というシステムがとられてたりしています。

 

 

 

判例主義であれば

Y高校の握手をしなかった行為が、

悪い事にあたるか、それとも不問にするかを

改めて議論し、Y高校になんらかしらの処分を

与えることも可能であることになります。

 

 

 

 

 

また、仮に罪刑法定主義を採用した場合になると

以下のような考え方も出てくる訳です。

 

 

野球ルールの根底には

「フェアプレイの精神」に基づいた考え方が

強くあるそうです。

野球に詳しい方ならご存知の方も多いかと

思うのですが、(私は詳しくはありません…)

インフィールドフライというルールは、

相手を故意に欺き、さらには全力でプレイしない

そんな行為は許されないということで

生まれたルールらしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

また、

高校野球は「教育の一環」としての役割を

持っており、

 

野球を通じて、将来日本の社会に

役立つ立派な人間を育て上げること

 

を大きな目的としているとの事。

 

 

 

もし、

このような「フェアプレイの精神」

「教育の一環」といった役割や目的が、

野球選手の方々に、明確に示されている

のであれば、

 

Y高校の握手をしない行為が、果たして

 

「フェアプレイの精神」

「正しい教育」に反する行為に値するか

どうかを議論する必要があります。

 

 

 

※大きなニュースになるような

 話題性の高い実際の裁判では

 このような条文にある文言の

 解釈が争われことが多いのです。

 

 

 

つまり、前述した窃盗罪の条文で言うと

問題となる行為が、「窃盗」に値するか?

そもそも「窃盗」の定義とは?

と議論するようなことです。

 

 

 

 

 

 

一方では、こんな考え方をしたりもします。

 

慣習法

 

という考え方です。

 

 

 

簡単に説明すると、

慣習法とは、成文で制定された法ではないが、

古くからの、習慣・慣例・しきたり・風習・お約束

…等々、といったものにより、

一般にルールとして定着していれば

法と同様、もしくは法よりも優先しても良い、

という考え方です。

 

 

 

この考え方は、特に商慣習としてよく採用され

ビジネスの現場では一般的になっている事も

多いようです。

 

 

 

例えば、

居酒屋さんでは頼んでもない

「お通し」が勝手に出てきて

その分の料金を払うことが

一般的ですよね。

(あくまでも一般的)

 

 

 

 

 

 

この慣習法の立場では、

 

『試合終了後の握手は、

 ルールブックに定められていなくても

 既に恒例となっている当然の行為なのだから

 握手をしないとう行為は

 ルール違反と同様な行為だ!』

 

とされる訳です。

 

 

 

 

さらには、こんな解釈も出てきます…

 

法律学では

 

「道徳は法になり得ない」

 

という考え方があります。

 

 

 

例えば、

「人を殺してはいけない」という考え方は

道徳も法も、その意見は一致するでしょうが、

 

「人を殺したいと思ってはいけない」という考え方

になると…

 

道徳でも、もちろん

「してはダメなこと」という意見になりますが

 

法では、

「人がどのように心の中で考えるかは自由」

という思想のもと、それが許容されます。

 

(そもそも誰かに不利益を与えた訳ではないし)

 

 

 

 

 

 

従って、道徳的に正しい考え方でも

必ずそれが法になり得るとは限らない

ということになる訳です。

 

 

ですので、今回の高校野球のケースだと、

 

試合後に、相手の健闘を称え行う握手という行為は

道徳的には非常に正しい行為ではあるが、

 

相手を称えることは「個人の自由な感情」であり、

そもそも感情をルール化することはできないし、

その自由な感情の表れである握手も、

ルールとして強制する事はできない。

 

という考え方もできる事になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さまは、今回のY高校の握手の件は

どのように考えられたでしょうか?

 

人それぞれ思うこともあるかと思いますが、

 

 

 

 

私が一つ思い出したこと…

 

 

冒頭にも書きましたが、

今回Y高校が握手をしなかったことは

「負けた腹いせか!?」と

バッシングされる事が多く、

 

ネットやマスゴミが煽ったりする訳です。

 

 

 

 

一方で、

かれこれ27年前の夏の甲子園大会に、

同じく、私の母校である星稜高校が出場しました。

 

 

その大会、

かの国民栄誉賞野球選手の松井秀喜選手への

5連続敬遠が社会問題まで発展した…

伝説となったそんな試合がありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

その試合ですが、

実は負けた我が母校の選手たちの数名が

試合後の握手をあきらかに拒否しています。

 

ですが、むしろ我が母校は世間から同情され、

バッシングを受ける事はなかったように思います。

 

 

 

 

何を言いたいかというと…

 

 

実際の選手でもないのに

外からバッシングとか

そんな恥ずかしい行為はやめよう!

 

マスゴミ、ネット、一般世論に惑わされ

本来の自分の考えでも意見でもない

そんなクズバッシングしている自分自身が

本当に“惨め”になりますよ!

 

 

 

 

もし、ご意見ある方は

ぜひ私までへお声掛け下さい!

 

きっと皆さまを“笑顔”にして差し上げます!

 

出見世写真