取締役を解任する『正当な理由』とは?その①
もくじ
株式会社の一番の権力者(?)は
これまでも何度も
当スマイル☻ブログで
ご案内していますが
“株式会社”において
一番の権力者(?)は誰ですか?
とたずねられた場合の答えは
株主
になります。
決して、
代表取締役 社長 や
代表取締役 会長
ではありません。
(株主と代表取締役が同一な場合はあり)
取締役は(代表であろうがなかろうが)
会社の所有者(オーナー)である株主から
会社の経営を委託された
(かわりに任された)関係にあたります。
したがって“力関係”で言えば
株主 > 取締役
となります。
法律(会社法)でも、
株主は取締役を
選任(選ぶ)したり、
解任(クビにする)権限
を持つと定められています。
取締役を解任(クビに)するには
もし株式会社の株主が
今の取締役が気にくわないとか
“何らかの理由”で
その取締役を解任したい(辞めさせたい)
と思ったら
株主総会の普通決議
(総株主の過半数以上の出席で
過半数以上の賛成)で、
決議をとれば
辞めさせることが可能です。
取締役には“任期”がありますが
その任期の途中でも
辞めさせることが可能です。
例:任期が2016年~2025年まである
取締役を2020年にクビにできる。
ただ、この場合に
ひとつ気を付けて頂きたいのは
取締役を任期の途中に解任するのに
「正当な理由」がなければ
会社はその取締役に対して
その損害を賠償しなければならない
と定められています。
(会社法330条2項)
例:残りの任期分の
役員報酬を払うとか
では、この場合の
「正当な理由」とは
どんな理由が当てはまるのでしょう?
過去の裁判
過去には、
損害賠償の必要なく
取締役を解任する
「正当な理由」について
このような裁判がありました。
あるオーナー代表取締役
(株主であり代表取締役である人)が、
持病の悪化のため
療養に専念するために
自分は代表を辞めて
取締役(いわゆるヒラ取)となり
自分が持っていた全ての株式も
新しい代表取締役にゆずった。
ところが、
新しいオーナー代表取締役は
経営陣の一新を図るために
その元代表取締役である
病気療養中の取締役を
“任期途中”で解任した。
ドラマ仕立てで言うと
新しいオーナー代表取締役は
もともと共同経営者であり
病気療養中の取締役は、
信用していたのに
会社を乗っ取られた…という話。
もちろん、取締役の解任自体は
法律で許されている行為なので
問題になることはありませんが
クビになった取締役は
『“正当な理由”じゃないから
残りの任期分の給料を払え!』
と訴えたのです。
さて…裁判の判決はいかに!?
次回のブログに続きます。m(__)m