ゴーンさんが海外にゴーン(gone)した件を述べてみた~会社法960条特別背任罪とは?~
もくじ
今でもマスコミをにぎわす
(元)日産のゴーン氏が、
海外にゴーン(gone)してしまった件…
(↑↑寒いダジャレだけど
これ以上、的確な表現ってある?☺)
について、
今更だけど
書きたいと思います。
マスコミでは、
「“会社法違反”などで
逮捕・起訴された…」
と報道されているので
曲がりなりにも
「会社法に強い行政書士」と
私が名乗っている(?)以上は
一度、この話題には
触れておかないとな…と☺。
ゴーン氏が犯した罪
ゴーン氏が、昨年、
逮捕・起訴された罪
つまり、ゴーン氏が犯した罪は
2つあります。
一つは、
金融商品取引法における
有価証券報告書の虚偽記載
という罪です。
ただ、
今日は、その罪には触れず
同じく、ゴーン氏が
逮捕・起訴された
もう一つの罪である
会社法960条
取締役等の特別背任罪
(以下「特別背任罪」とします)
について、
小学5年生でもわかるように
紹介したいと思います。
会社法の特別背任罪とは?
会社法の特別背任罪は
どんな罪かというと…
会社の、
取締役などの偉い人が
“自分の利益のため”
又は
“会社に損害を与える”
ことを目的として
与えられた任務に
背(そむ)くことや
任務とは関係ないこと
をして
その会社の
お金などの財産を
減らすなどの
損害を与える。
という罪です。
ちなみに、
この特別背任罪を犯した人は
懲役(刑務所に入ること)10年以下
1,000万円以下の罰金
のどちらかか、どちらも
刑として課されます。
会社法の特別背任罪は
そんな犯罪行為になります。
ゴーン氏は何をした?
では、ゴーン氏が犯した
特別背任罪にあたるような事とは?
具体的にどんなことなのでしょうか?
ゴーン氏は、会社(日産)の
代表取締役会長という立場、
つまり会社で一番偉い人
という立場で、日産という会社の
経営の指揮を執っていました。
ただし、会社の取締役とは
株式会社の所有者である株主から
会社の経営を任されているに
過ぎませんので
いくら代表取締役会長と言っても
会社の経営を、何でもかんでも
自由にしていい…という訳では
ございません。
そんなゴーン氏ですが
会社の仕事とは別に
“自分がお金をもうけるため”に
ゴーン氏個人として
スワップ取引という
上手くいけはお金儲けできるけど
失敗すると損をするという
リスクがある取引をしていたのですね。
で、ゴーン氏は失敗してしまい
約18億円もの損を出してしまいました。
その18億円もの損は
日産の仕事とは全く関係なく
本来はゴーン氏が個人で
負担しなければならなにのに
ゴーン氏は、会社における
権力を利用して
その18億円ものお金を
会社に支払わせたのです。
ゴーン氏にとっては
18億円を払わなくても
よくなったのですから
18億円を得した
ことになりますし
会社からすれば
全く仕事とは関係ないところで
18億円を損した
ことになります。
会社の本来の仕事で
18億円の損をするのであれば
会社のオーナーである株主も、
文句は言えませんが
これは、会社とは関係ない
ゴーン氏の個人的な損失を
会社になすりつけることになります。
18億円もの会社財産が減った
のですから
その財産をあらわす
株式の価値も減ったことになり
その株式を持つ株主に
被害を与えたことになるのです。
だから罪となり
逮捕・起訴されるのですね。
※株主だけではなく
債権者(お金などを貰う人)も
被害者です。
まとめ
現在、各マスコミで
報道されている
ゴーン氏がゴーンしてしまった
事件からすれば
今回、紹介させて頂いた
会社法の特別背任罪なんて
ほんの小さな事件に過ぎない
のかも知れません。
世界中から注目を集めるこの事件、
今後どうなってくか
気になるところではありますね。
それでは、また。