会社法における選任と選定の違い
もくじ
前回のブログでは、
株式会社や合同会社について
定めた法律である
『会社法』
の基本の“基”とも言える
株式会社の機関設計について書きました。
基本というのは、
株式会社は、どんな会社でも
株主総会
と
取締役
は必ず設置しなければならない
という事です。
そして、
代表取締役は
必ず置かなければならない機関ではなく
一定の場合に選定しなければならないことが
会社法に定められています。
選任と選定
ところで、前回のブログでは
以下のような趣旨のことを書きました
株主総会は取締役を選任する
取締役会は代表取締役を選定する
さて、お気づきでしょうか…？
前者には“選任”という言葉を
後者には“選定”という言葉を
使っています。
これは仙人…？
“選任”も“選定”も
誰かある人物を“選ぶ”という意味ですが
それぞれの意味は違っていて
使い方も異(こと)なります。
そこで、今回のブログでは
“選任”と“選定”の違いを
ご案内します。
〇〇〇か？〇〇〇じゃないか？
まず“選任”ですが
株主総会は取締役を“選任”する
というように
もともと取締役では“ない人”を
選ぶときに使います。
一方の“選定”は
取締役会は取締役の‟中から”
代表取締役を“選定”する
というように
既に取締役になっている人の
中から選ぶという意味があります。
これは剪定(せんてい)…かな？
国語辞典で調べても
(そこまで詳しく書いてはいませんが)
“選定”の方は
『多くのものの“中から”
目的にあったものを選び
“定める”こと。』
と解説されています。
実務上では、
株主総会で選任された取締役の中から
代表取締役を選定する
という段階を踏んだ使い方を
することになります。
おわかりいただけましたか？
では“解任”と“解職”は？
他にも会社法上の法律用語の
微妙な違いと言えば
‟解任”と‟解職”
があります。
早速その答えですが
“選任”の反対が“解任”
となり
“選定”の反対が“解職”
となります。
これは貝…
例えば、会社にとって
何か悪いことをした代表取締役は、
代表取締役という役職を
“解職”されて、普通の取締役になり、
さらに、取締役をも“解任”されて
課長に降格させられた…。
というような使い方をすることになります。
別にわかってなくても…
あなたが会社の出資者や経営者だとして
選任・選定・解任・解職…
の違いを、もし知らなかったり
わかっていなかったとしても
安心してください！
特に出資者や経営者の“資質”を
問われるようなことはないでしょう！
(私たち専門家でも
わかってない人は多いかもしれません…）
もちろん、このような
言葉のチョイスを間違たところで
大きなトラブルになることも考えられません。
ただ、知っている・分かっているのと
そうでないとでは…
知っている・分かっている方が
やっぱりカッコイイですよね！！
ぜひ、あなたの
『豆知識・うんちくライブラリー』
(↑私が勝手にネーミング)
にご保管くださいね！
では、また次回に。
