監査役の会社での独立性について
もくじ
会社(株式会社、合同会社など)は
定款で定めることによって
監査役
を会社に置くことができます。
また、公開会社(一株でも譲渡制限がない
株式を発行している会社)や
取締役“会”を設置している会社は
必ず「監査役」を会社に置かなければなりません。
※言いかえれば、監査役は必ずしも
会社に置かなくてもよい機関といえます。
監査役の役目
“監査”というのは
監視や監督する
ことを指します。
より具体的な説明をすると
会社の事業・業務を行うのは、法律上、
株式会社であれば「(代表)取締役」
合同会社であれば「(業務執行)社員」
ということになりますが
その取締役または社員が
ちゃんと業務をしているか…
悪いことをしていないか…
などを監視・監督するのが
監査役の役目です。
当然ながら
会社でこんなことがあったとき
監査役はこのようにしなければならない
といったルールも
法律(会社法)にしっかりと決められています。
国の機関に例えるなら、さしずめ
法律を決める
国会が株主総会
法律を執行する(守る)
内閣が取締役・社員
それを監視・監督する
裁判所が監査役
といったところでしょうか。
監査役の独立性
監査役が、取締役または社員を
監視・監督しようとしていても
もし、監査役が取締役・社員に対して
逆らえない(注意できない)立場に
あるとすると
取締役・社員は、
監査役の存在を意に介さず(無視して)
悪いことを強引にしてしまう
可能性があります。
そこで、法律では
監査役がちゃんと役目を果たし
業務ができるよう
以下のような定めをしています。
◆取締役または社員は
監査役の報酬(給料)を決められない
会社の従業員の給料を決めるのは
(代表)取締役または社員です。
しかし、監査役の報酬を取締役や社員が
決められることにしてしまうと
監査役は取締役・社員に従わざるをえなく
なってしまいます。
そのため、法律では、
監査役の報酬は
定款または株主総会で決める
と定めています。
◆監査役は取締役または社員や従業員を
かねることができない
取締役や社員自身が監査役となってしまうと
泥棒が警察になるのと同じように
悪いことをしても
注意したり罰したりする人が
いなくなってしまいます。
(誰も、自分で悪いことをしておいて
自分で捕まえたりしないですよね)
そのため、法律では
監査役は、取締役・社員・支配人、
その他の使用人を兼務することが
できないと定めています。
※取締役や社員は
支配人・使用人と兼務することができます。
◆監査役は選任・解任などの意見を出せる
会社の監査役を決めたり、
辞めさせたりするのは
株式会社の場合だと
株主総会が決めます。
株主総会は、取締役の選任・解任も決めますが
監査役の場合は、
株主総会にて監査役の選任・解任などの
意見を述べることができます。
そうしないと、会社にとって
都合のいい人ばかりを監査役にできることになり
正しく適切な監視・監督が
できなくなってしまうからです。
まとめ
以上、このようにして、
監査役の独立性を確保することにより
監査役が、会社の業務をしっかりと
監視・監督し
強(し)いては、
会社がコンプライアンスを
しっかりと遂行し
社会に悪い影響を及ぼすことのないように
しているのです。
会社に監査役を置いている企業や
これから監査役の設置を予定している企業は
この点をしっかり理解しておきましょう。
では、また次回に。