SDGsとISOは、どういった点が大きく違うのか?
もくじ
つづきです。
前回のブログでは
皆さまからよくいただく質問である
『SDGsとISOの違いは?』
という疑問について、
ISOは然るべき機関から
“審査”を受け、
それに“合格”することで
ISO認証企業として
名乗ることができるのに対し
SDGsは、特に審査や資格や、
特別な許可を受ける必要もなく
(最低限のルールを守れば)
SDGs推進企業として
原則、自由に世間にアピールできること
などをご案内しました。
そこで、今回のブログでは
なぜ、このようにSDGsが
ISOのような条件や資格が必要なく
これだけ自由に誰でも
取り組めるのかという点について
ご案内したいと思います。
SDGsの理念
結論から述べるとSDGsは
「誰一人
取り残さない」
というSDGsの合言葉であり
SDGsの理念にあたる
この言葉にのっとり
“誰もが”取り組まなければならない
目標であるからです。
言葉を返せば、
ISOを企業が取得するには
それなりの費用や労力が必要です。
それでは、資金や人材に乏しい
中小零細企業は
社会的に優良な企業だとしても
ISO認証を受けることができません。
そうなると、せっかく仕事を通じて
社会に貢献しようと思う企業でも
『わが社は
ISOに取り組めないし
取り組まない』
と、そのせっかくのモチベーションを
無駄にしてしまう可能性がありますし、
ひいては、社会を良くするための活動が
なかなか広まらない…ということにも
なりかねません。
まさしく
誰かを取り残してしまう
ことになってしまいます。
※決してISOを否定している訳では
ございません。むしろ、
ISO取得企業は、それだけでSDGsに
随分と貢献している企業と言えます。
ですから、SDGsはISOと異なり
資金力や人材に乏しい企業や団体だけでなく
地球に住む人間、私たち一人一人でも
積極的に推進することが大事
であることから
誰でも自由に取り組めるように
なっているのです。
目的と過程
他にもSDGsとISOでは
このような違いがあると考えます。
日本におけるISOは
企業がISO認証を受けること
そしてその資格を更新し続けることに
その重要性が置かれている…
そんな気がします。
例えば、ISO14001であれば
おそらく環境に優しい社会を作るという
大きな目的があるとは思いますが
多くの企業は、まずISO14001を
取得するために力を入れます。
そのために、専門の認証機関が
様々な審査を行い、
企業はその審査に合格するために
必要なオペレーション(仕事のやり方)等を
業務に取り入れていくのです。
そのオペレーション等には
かなり具体的な審査基準が
定められているとのこと。
つまり、ISOは
その大きな目的を達成するための
“過程”が
重要視されているものと
考えることができます。
対して、SDGsは
“G”がその頭文字である
Goal(ゴール)
や
持続可能な開発目標
という文字が示す通り
あくまでも
ゴールであり目標です。
SDGsの
17のゴールにも、
169のターゲットにも
その目標を達成するための
方法やアイデアは
ひとつも示されていないのです。
SDGsは、2030年までに
世界がどうなっているべきか
その目標だけを私たちに伝えて
どうやってその目標を
達成すべきかという
方法やアイデアは
SDGsに取り組む
私たち一人一人に
ゆだねられているのです。
(※言い方を変えれば、
ISOの方がやるべき事が
明らかになっている…
とも言えます。)
つまり、SDGsは、
私たち一人一人が
自分のため
そして
未来の世代の人々のために
自らが主体となって
自らの責任で
自らの考えで
自ら行動して
いかなければならない
ものなのです。
昔の日本には
なるべく他の人と同じことをするよう
教育されてきたという歴史がありましたが
現代では
個人の個性を尊重し、
自ら主体的に考えたり
行動できる人材が求められるように
なってきました。
SDGsもそのような
時代の流れに沿って
私たちが住む
この地球・この世界の課題を
解決するよう
訴えかけているのではないでしょうか。
では、また次回に。